病院側から見て困るのは、やはり日本の医師国家試験の低い合格率だと思いま す。90%に対して、海外医学部の卒業生では60%程度に留まることです。 マッチして仮契約を結んでも、国試に落ちてしまっては、採用できません。こ の問題、すなわち国試落ちしない人をどう選定できるでしょうか。
日本の卒業証書と違い、海外の Diploma には、以下が明記されていることが あります。
卒業までに要した時間とは、読んで字の如く、入学から卒業までに要した学期 数が書かれています。6年制のところは、正規は12学期ということになりま す。この数が14になれば、7年かかっていることになり、以下同様となって いきます。日本の国試の留年数などと同じく、数が多くなればなるほど・・・ (以下略です)。海外では留年が普通で、12学期で卒業する人が少数派です。 14から16であれば、1から2年の留年となり、まずまずの学生といえるで しょう。12学期は正規の学期ですが、この学期で卒業できているひとはかな り優秀と言えるでしょう。
次に成績に応じた等級についてです。まず全体像については 以下の Wikipedia の Latin Honors を参照ください。
両者を組合せますと、16学期で Lite の人は、かなり多いのですが、ちょっ と微妙な感じがします。単刀直入に言って国試落ち濃厚です。一方で、12学 期でかつ Summa Cum Laude であれば例外的に超優秀と言えます。国試も問題 なく通って行くでしょう。
病院の関係者から聞くのは、海外の医学部を卒業した学生で、かつ日本の医師 国家試験を合格し、医師として働いている人は、日本の医学部を卒業した人と 同等レベルにあるということです。日本の医師国家試験が能力を担保してくれ ているので当然といえば当然です。
海外医学部組が力を発揮するのは、外国人の患者を見るときです。やはり、日 本”純正”の医師と比べて、外国語は良くできるようです。(個人的な経験から いえば、聖路加国際病院の医師は例外的によく英語を話すような印象を受けま した。)
日本と同じようにハンガリーにも医師会登録データベースがあります。EUの医 師免許を取得した人で、これから日本の国試を受ける人は登録していると思い ます。必ずしも登録する必要はないので、卒業した人でも必ずしも登録され ているとは限りません。日本の国試を受けようとすると、卒業した国で医師免 許を取得している必要があります(※)。そのため、その国での医師会登録はよい証 明になるので、国試を受ける人は登録しています。
AEEK(Allami Egeszsegugyi Ellato Kozpont: Emberi Eroforras Fejlesztesi Foigazgatosag publikus adatbazis, National Healthcare Center, 国立健康保健センター) Chrome を使っている人は翻訳機能を使用することをお勧めします。それ以外 の方は、Nev (名前)のところに適当な名字を入れると、医師会登録されている 人が出て 来ます。例えば、Yoshida, Kaneko など。Slide させた後、検索ボ タンが押せるようになります。
(※)卒業した国とは別の医師免許を持っていた人が国試の受験を認めれなかっ た例があるそうです。